トピックス
困窮者の支援とメンタルヘルス(2)
 新しい年を迎えました。世界同時不況は、急激な雇用情勢の悪化を招いただけでなく、「派遣切り」にともなう住居の突然の喪失などのために、ホームレスの状態となる方の増加を引き起こしました。また、不況の影響だけでなく、医療のしくみや、家族や地域状況の変化も、<ホームレス>を生み出しやすくしていると言われています。このように<ホームレス>は、社会の中に、多様かつ複雑に広がりつつあります。
 東京の一地域における<ホームレス>の調査の報告からは、調査対象者のおよそ6割は、メンタルヘルスの問題をかかえており、まわりとの関係をうまくつくれない状態であることがわかりました。また、死にたいと思ったことや、実際に死のうとしたことのある人たちも多かったということです。そして、年末の再調査では、長期化している中高年・高齢者の<ホームレス>には、メンタルヘルスの問題をかかえた人がより多く見られることがわかりました。
<ホームレス>を含む生活困窮者は、メンタルヘルスの問題を含めて、追い込まれた状態にある方が少なくありません。このため、生活困窮者の支援は自殺予防を進める上でも、とても大切です。実際、千葉県のある自治体は、アルコール依存症や、知的障害などのメンタルヘルスの問題をかかえた<ホームレス>の方への医療提供と社会復帰支援を進めることによって、路上死を著しく減少させています。
さて、年末年始にわたって、仕事を探していて、当面の生活に困っている方たちを対象に、全国各地でワンストップ・サービスが行われました。そこでは、メンタルヘルスや自殺予防の観点から、こころの健康相談も行われました。ワンストップ・サービスに来られた方の一部は、精神疾患があり、しかも追い込まれた人たちである可能性があることから、こころの健康相談が行われたのはとてもよいことだと思います。しかしながら、自殺の危険が高く、しかも追い込まれている方は、ワンストップ・サービスには来ることができないことも懸念されます。このような状態の方々には、訪問型のサービスが必要ではないでしょうか。
 困窮者の支援は、メンタルヘルスの問題と密接に関わり、自殺予防対策にもとても重要です。そして、より効果的な支援を行うためには、困窮者のかかえるメンタルヘルスの問題の実態把握を行い、ニーズに対応したサービスを増やしていくことが必要です。自殺予防総合対策センターでは、地域において困窮者への支援が適切に行われるよう、さらなる情報発信を行っていきます。
UPDATE
2010.02.08 「活動内容」を更新しました。
2010.02.01 「自殺対策のための自殺死亡の地域統計」(2)−自殺の手段、配偶関係、職業−を掲載しました。
「社会生活統計指標 −都道府県の指標−2010」(総務省)が掲載されました。
2010.01.25   「いきる・ささえる相談窓口」を更新しました。
2010.01.19   アルコール問題の普及啓発パンフレット「のめば、のまれる」を掲載しました。
国立社会保障・人口問題研究所のサイトで社会保障実態調査結果の概要が掲載されています。
「いきる・ささえる相談窓口」を更新しました。
「活動内容」を更新しました。
2010.01.12   全日本断酒連盟「かがり火」第155号に「自殺予防総合対策センター報告」が掲載されました。
「学術活動」を更新しました。
「基礎資料」を更新しました。
2010.01.04   トピックス(困窮者の支援とメンタルヘルス(2))が新しくなりました。
「いきる・ささえる相談窓口」を更新しました。
「地域における自殺対策プログラム・本文」(厚生労働省)を掲載しました。
「地域における自殺対策プログラム・先行的取り組み地域の事例」(厚生労働省)を掲載しました。
「平成22年度 自殺防止対策事業」(厚生労働省)を掲載しました。
    過去の記録
のめば、のまれる 中年男性の自殺予防に取り組む人のための10箇条 自殺予防総合対策センターブックレット
自殺対策の基礎知識 ライフステージ別ミニポスター(中高年) 自殺予防週間ミニポスター
自殺予防総合対策センターブックレット バックナンバー自殺予防総合対策センターブックレット No.4