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アルコール問題と向き合う
 私たちは現在、全国の都道府県・政令指定都市の協力を得て、心理学的剖検の手法を用いた、自死遺族からの聞き取り調査(「自殺予防と遺族支援のための基礎調査」)に取り組んでいます。その調査のなかで、中高年男性の自殺に、アルコール問題が大きな影響を与えている可能性が見えてきました。
 自殺既遂者の23%に、死亡1年前にアルコールのために仕事に支障が出たり、家族を心配させたり、内科疾患を呈するといった現象が認められましたが、そうした方はいずれも仕事を持つ中高年男性でした。
 また、死亡前にアルコール問題を呈していた方は、その大半が、死亡前にアルコール依存症に該当する状態にあり、同時にうつ病にも罹患していました。精神科治療を受けていた方もいましたが、アルコール問題に対する援助を受けていた方はいませんでした。また、借金や離婚などの困難な社会的問題を抱えていた方や、夜眠るために飲酒する方が多く見られ、さらに酩酊した状態で最後の行動におよんだ方も少なくありませんでした。
 海外では、アルコール依存はうつ病と並んで自殺に関係する精神疾患として知られています。また、多くの国で国内アルコール消費量は男性の自殺死亡率と正の相関関係にあります。
 アルコールは衝動性を高め、「死にたい」という気持ちを行動に移す危険を高めます。悩みを抱えた人がアルコールを摂取すると、自暴自棄的な傾向を助長します。また、不眠に対してアルコールで対処しているとかえって不眠が悪化します。さらに、つらい気分を紛らわすための習慣的な大酒はうつ病を悪化させるだけでなく、うつ病を誘発することもあるのです。
 私たちは、中高年男性の自殺予防のため、アルコール問題と向き合うことを提言します。
中年男性の自殺予防に取り組む人のための10箇条 自殺予防総合対策センターブックレット
自殺対策の基礎知識
ライフステージ別ミニポスター(中高年) 自殺予防週間ミニポスター  
自殺予防総合対策センターブックレット バックナンバー自殺予防総合対策センターブックレット No.4